小児泌尿器科
小児泌尿器科
当院ではお子様の診療も行っています。おねしょや、睾丸、性器、学校検尿について心配ごとがあれば受診してください。痛い検査はありません。お子様もご家族も安心して診療を受けていただけるよう、診察や治療の内容を丁寧に説明します。
夜尿症(おねしょ)は、「5歳以上で、1ヶ月に1回以上の頻度で3ヶ月以上、夜間睡眠中に、おねしょをしてしまうもの」と定義されます。7歳児における夜尿症は約1割程度とされており、年齢とともに自然に治っていきますが、数%は治らないまま成人になると言われています。夜尿症は、親の育て方やこどもの性格の問題ではありません。尿意で目を覚ますことができないことが根本にあって、その上で膀胱機能が未熟であったり、夜間の尿量が多いなどの原因が重なることで起こります。治療は、まず就寝前のトイレ習慣や水分摂取の制限などの生活指導及び行動療法から開始し、効果が乏しい場合には薬物療法やアラーム療法といった治療へ移行します。ご家族だけで悩まずに、早めに受診することもご検討ください。
「夜尿症」のPoint!
包茎とは亀頭に包皮が被った状態の陰茎のことを指します。新生児は人種に限らず、全員が真性包茎であり、デリケートな亀頭を外部の刺激から守るという役目があります。そして、二次性徴を迎えることで陰茎が増大し、包皮が薄くなって、そのバランスが崩れることでムケるようになるのが一般的な成長過程です。人種差はありますが、何もしなくても20歳までに90%超の方が包皮をムケるようになると言われています。
一般に治療対象となる包茎とは、おしっこが出せない、亀頭に癒着している、包皮が硬化しているなどの症候がある場合に限ります。そのため、それ以外の真性包茎に対して幼児期に手術を行う必要性はなく、保険適応にもなりえません(当院では、保険適応外の場合の紹介は行っておりません)。どうしても気になる方の場合には、就学前より軟膏の塗布と包皮のストレッチを繰り返し行うことで早期に剥けやすくなる場合があります。一方、思想や宗教的な背景がある場合にはその限りではありません。これらの背景がある方の場合、医学的見解をお話しすることは可能ですが、理解を求めるのは難しいかもしれません。まずは、泌尿器科専門医による診察を受け、治療適応を判断してもらうべきでしょう。
「包茎」のPoint!
出生後のお子様の精巣(睾丸)が陰嚢(ふくろ)内に触れない場合、精巣自体が無い場合と、精巣の位置が違う場合の2通りが考えられます。ここでは、後者の精巣の位置が違う場合について説明します。
胎児期(お母さんのおなかにいる時期)に睾丸は陰嚢内にはなく、お腹の中で発生した精巣は、出産に向けて徐々に陰嚢内に降りてきます。しかし、一部のお子様で精巣が陰嚢内に降りてこないことがあり、これを医学的に「停留精巣」と呼びます。短い妊娠週数や低出生体重児では、その罹患率に影響するとされていますが全てではありません。自然に陰嚢内に下降してくるのは生後6ヶ月以内までであり、それ以降は下降しない可能性が高くなります。2歳以内に治療しないと精子形成が戻りにくいという報告もあり、手術時期は2歳以内、特に近年では1歳前後までが良いとされています。
発見された場合は、まずは近くの泌尿器科を受診し、対応について指示を仰ぎましょう。
「停留精巣」のPoint!
学校検尿の異常を指摘された場合、多くは無症状です(もしくは黙っている)。そのため、生理的な症候なのか、それとも、おしっこを作っている腎臓や、おしっこの通り道である尿管、膀胱、前立腺(男性のみ)、尿道のどこかに異常があるのかを明らかにしなければなりません。尿路奇形は700人に1人くらいの割合という報告もあり、比較的身近な奇形と言えます。
学校検尿による蛋白尿の多くは、起立性蛋白尿(体動によって生じるタンパク尿のこと)がほとんどで、小学生には比較的みられる生理的な症候であり、治療の必要性がほぼありません。それを判断するためには、初診で再検尿を行い、再診で早朝尿(朝一番のおしっこ)を持ってきてもらうため2回、受診していただくことになります。また、超音波検査で腎臓の形状など異常がないかを確認します。しかし、持続する場合には、小児科への受診をしていただきます。
腎炎の可能性があります。また、尿路奇形や生まれつきの代謝疾患を有しているお子様では、尿路結石を併発している可能性もあるため超音波検査なども行います。異常が認められた場合には、小児科への受診をしていただきます。
尿路奇形や膀胱尿管逆流症、神経因性下部尿路機能障害などの病気が潜在している可能性があります。再検尿により膿尿がある場合や、残尿が多い、超音波検査による尿路の異常が見られる場合には、小児科への受診をしていただきます。
「学校検尿異常」のPoint!